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AIによって変わる価格設定

 ITを活用し、需要と供給に合わせて価格を変動させる“ダイナミックプライシング”。近年、この変動価格システムにAI(人工知能)を取り入れることで、より精度の高い価格設定
が可能となっています。今回は、日本の様々な分野な分野においても広がりを見せつつある、AIによるダイナミックプライシングの概要と、そのメリットについてご紹介します。

 ◎ 需要と供給のバランスで、価格が変わる!

  “ダイナミックプライシング”とは、商品やサービスの価格を需要の状況に応じて変動させることを言います。
  日本でダイナミックプライシングが活用されている分野といえば、休暇時期や天候などに大きく影響を受ける旅行業界が挙げられます。航空券やホテル・旅館の宿泊代などは、
 年末年始やお盆、ゴールデンウイークなど繁忙期に跳ね上がります。一方、顧客の減る閑散期には料金を低く抑えられます。閑散期に眺めのよくない部屋で格安で提供したり、
 早期割引で空席・空き室を減らしたりするのも、すべてダイナミックプライシングの考えに基づいています。
  またアメリカでは、このダイナミックプライシングAIを取り入れる動きがスポーツ業界などでいち早く見られ、今やメジャーリーグベースボール(MLB)やナショナル・フ
 ットボール・リーグ(NFL)など、人気のスポーツ観戦チケットの価格はAIが決定しています。
  AIによって導き出せれる価格は、対戦チームの人気度や、座席の観戦しやすだけで決まるわけではありません。開催される時期のほか、平日や休日か、試合当日の天候、先発 
 投手が誰なのかといった様々な要素が分析され、適正価格が導き出されています。

 ◎ 企業側に消費者側にもメリットあり

  ここで大切なことは、販売元企業の利益を最大限にするだけでなく、購入する消費者側にとっても納得できる価格になっているということです。チケット料金に納得できれば
 顧客の満足度は高くなります。また、条件があれば、これまでは高すぎて買えななかった人気のチケットを、手頃な価格で購入できることもあるでしょう。企業側は、空席という
 在庫ロスを極力減らすことができます。
  企業にとっての生命線ともいえる“価格戦略”。AIの力を借りれば、客観的なデータをもとに売りても買い手も納得できる価格が導き出せるわけです。

 ◎ AIによる値付けが幅広い分野で活躍

  また最近では、スポーツや旅行の分野以外でも、AIによる値付けシステムの導入や実証実験が進んでいます。例えば、インターネット通販などのEC市場では、在庫や需給のバ
 ランスにより、リアルタイムで価格を変動させて収益えを上げる試みが始まっています。さらに駐車場業界でも、蓄積された駐車場予約データを解析し、イベント開催などの状
 況に応じた最適価格を導き出すシステムの実証実験が行われています。

  AIによる価格設定は、値付け精度向上による収益アップや作業コストの削減を可能にします。今後も様々な分野で導入が見込まれる注目技術の一つと言えるでしょう。

  何かお尋ねしたいことがあれば、岸和田市内だけでなく、他市町村、大阪市内、大阪府内、関西圏からでもお気軽にお問い合わせください。

2019年 5月 12日