労働者が年次有給休暇を取得する日を指定した時、その通りにすると事業の正常な運営が妨げられる場合には、使用者は指定された年次取得日を変更する権利を持っています(時季変更権）。

労働基準法第３９条第５項にその旨がされています。

その出社要請が適法かどうかは、２つのポイントがあります。

（１）部下が休暇を取ることが「事業の正常な運営を妨げる場合」に該当するか

（２）休暇当日になって、上司が時季変更権を行使できるかどうか

一方、部下が 当日や前日にいきなり休暇を申請し、なおかつ先に説明した「事業の正常な運営を妨げる場合」に該当するときは、会社は例外的に休暇当日の時季変更権を行使して、休暇取得を断れるケ－スがあります。

但し、「別に強制していないから、出社を頼んでも大丈夫」という考えです要注意です。

有給休暇中の出社要請は、適法な時季変更権の行使でなければ、損害賠償の対象となる可能性があることを注意してください。

2015年 7月 27日