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老人福祉・介護事業者の新設法人は2年連続減少

 東京商工リサーチでは「2015年『老人福祉・介護事業者』の新設法人調査」を実施しました。2015年(1~12月)に新設された老人福祉・介護事業者は3116社で、2年連続で減少しています。同年の全業種の新設法人は12万4996社と6年連続で自y化している一方、老人福祉・介護事業への新規参入には二の足をふむ状況がうかがえます。
 2013年に3796社でピークを迎えた後、2年連続で減少し、2015年は14.0%の減少率を計上しています。2016年1~6月の新設法人数は1483社(前年同期1691社)ということから、単純計算すると2016年通年では3千社を割り込むみ見通しで、3年連続で減少する可能性が高まっています。
 老人福祉・介護事業者を業種別に見ると、上位3業種者は次の通りになっています。
 1.「訪問介護事業」2572社(構成比82.5%)
 2.「通所・短期入所委介護事業」315社(同10.1%)
 3.「有料老人ホーム」107社(同3.4%)
 減少率で最も大きかった業種は「特別養護老人ホーム」の64.8%減(122→43社)で、次いで「認知症老人グループホーム」の56.0%減(25→11社)となっています。
 老人福祉・介護事業者の新設法人を資本金別に見てみると、過半数数の56.3%が「100万円以上500万円未満」。資本金1千万円未満の新設法人が全体の約9割を占めており、少額の資本金で設立される法人が圧倒的でした。
 ◎本格的淘汰の時代を迎える?
 なお、東京商工リサーチがまとめた2016年1~9月の老人福祉・介護事業者の倒産を77件でした。過去最大だった2015年の年間76件をすでに超えており、老人福祉・介護業界は本格的淘汰の時代を迎えています。
 社会の高齢化が進行する中、老人福祉・介護事業会はビジネスとして有望なマーケットと目されていました。しかし、実際は「人手不足と人件費の高騰」「施設への投資負担」「過当競争」「介護報酬改定」といった課題が山積し、業界を取り巻く環境には厳しいものがあります。深刻な問題となっている「介護離職」をなくすためには、老人福祉・介護業界の安定化が欠かせません。今後はハード(施設)とソフト(人材)の両面から、老人福祉・介護業界の円滑な事業運営をサポートし、新規参入を促す政策が求められるのでしょう。
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2017年 1月 1日