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従業員の副業を全面的に禁止することはできない。副業を認めるうえでの注意点とは?

  ◎本業に支障きたす場合は副業を禁止する
 先ずは、「副業を禁止できるのか」を見ていきましょう。過去の判例によると、「職場の秩序に影響せず、格別な支障を生じないのであれば違法にならない」とされています。「副業を禁止することは当たり前だ」と思っている経営者は多いかもしれませんが、社員の副業を就業規則で全面的に禁止することは認められないのです。
 一方で、如何なる副業でも認められるわけではありません。以下の4つに該当する副業は禁止することはできるとされています。
 (1)本職と勤務時間が重なる兼職
 仕事中に副業先のメールを確認することは専念義務に違反するといえます。
 (2)過度の長時間労働を予期できる本業に支障をきたす可能性の高い兼職
 副業による遅刻や欠勤が多くなったと判断される場合は副業を禁止できます。6時間を超える深夜アルバイトをしていた従業員の解雇ができた判例もあります。
 (3)協業他社への労務提供
 競合となる企業への労務提供は、会社の損失につながる可能性があると認められるので禁止できます。
 (4)違法な仕事をして会社の品位を落とすおそれがある業務
 反社会的勢力とのかかわりがある必要など、会社の品位を落とす恐れがある副業について禁止することが可能です。
  ◎本業+副業の労働時間を規則範囲に抑えなければならない
 副業の解禁が「従業員のスキルが向上する」といったプラスの効果を生み出す一方で、マイナスに働く部分ももちろんあります。一番懸念しなければならないのは「労働時間」です。
 副業をしている従業員の労働時間は、本業と副業の合計が規制の範囲内におさまっていなければいけません。また、副業をしている従業員が自社と別の組織で働いている場合には、合計時間が8時間以上を超えてしまうと割り戻し賃金を払う必要があります。 
 労務提供のコントロールの仕方を考えてから、副業の解禁をするべきでしょう。
 何かお尋ねしたいことがあれば、岸和田市内だけでなく、他市町村、大阪市内、大阪府内、関西圏からでもお気軽にお問い合わせください。

2018年 2月 4日